今から、9年前に、久しぶりの転勤で、僕は使い慣れた理科室をはなれた。新しい学校は、歴史ある校舎。理科準備室には、モノがたくさんあり、足りないモノはないという印象だった。しかし、必要なモノは、探そうと思っても見つからない。そう、どこに何があるか、さっぱりわからなかったのです。
急がば回れ【片付けからはじめよう】
スタート地点は、シンプルな1つのルール「絶対使うモノ以外は即捨てる」だけを考えました。とにかくいらないモノが多かったので、どんどんゴミ袋につめていき、運び出しました。
目指すゴールは、「すべてのモノの置き場が決まっている状態」です。
正直、私の理科準備室もまだこのレベルまで達しては、いません。
スタートは「絶対使うモノ以外は、即捨てる」
準備室の実験台は、本来、授業の準備や予備実験をするたのスペースです。しかし、実際は、いろんなモノがどんと置いてありました。しかもモノの上にモノが…。これでは、探し物が見つかるはずがありません。
薬品庫が8つもあって、中には、たくさんの薬品ボトルがありました。
不要薬品をコンテナに移し替えて、別で保管し、薬品庫は5つ捨てて3つにし。それでもまだ多いと思っています。薬品庫なんて1つあれば足りる。
薬品は、簡単に捨てられません。ほとんどの薬品は、捨てるのに、費用がかかります。業者の見積もりをもらうために、すべての瓶に、テプラでつくった連番シールを貼りました。なんと400本を超えました。(こんなにあるとは!)
番号を振った薬品ボトルを、表計算ソフトで一覧表にまとめると、「二酸化マンガン」のボトルが5つもあるじゃん!繰り返し使える物質なので、1ボトルの1/10程度あれば、ずっと大丈夫なんだけど…。きっと昔、探しても見つからないから「買ったほうが早い」と思って買ったのでしょう。
食塩や炭酸水素ナトリウム、エタノールなどよく使う物質も、せいとんしたら、在庫が数年分あることがわかりました。本当に4~5年間、買わなくてもOKでした。
ゴールは「すべてのモノの置き場が決まっている」
置き場が決まっていると、準備と片付けのスピードがとてつもなく上がります。在庫の確認もあっという間になります。よく使うテプラは、引き出しの中に入れました。引き出して、そのまますぐ使えます。
小物整理には、パーツキャビネットを使うと、ものすごく効果が期待できます。
今は、まだ、探すのにちょっと時間がかかり、不便に感じています。今後、すべての引き出しにラベルをつけて、50音順に並べようかと思っています。
現在、授業の準備スピードは、以前とは比べ物にならないくらい早くなりました。こつこつと片付けをしてきた成果です。一度きれいになれば、それを維持するのは、それほど難しいことではありません。他の先生たちも、ていねいに片付けをしてくれます。
理科準備室の整理せいとんをやって本当に良かったと思っています。それは、ここから多くのことを、学び、僕自身が成長できたこと。また、自分の授業だけでなく、学校全体の理科授業のレベル上げに貢献できたからです。
世の中にせいとんされていない理科準備室が、どのくらいあるか分かりませんが、誰かの参考になれば幸いです。