1年生では、身近な地形や地層、岩石の観察が重視されます
( 2 ) 大地の成り立ちと変化
大地の成り立ちと変化についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることがで きるよう指導する。
ア 大地の成り立ちと変化を地表に見られる様々な事物・現象と関連付けながら,次のことを 理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
( ア ) 身近な地形や地層,岩石の観察
ア 身近な地形や地層,岩石の観察
身近な地形や地層,岩石などの観察を通して,土地の成り立ちや広がり,構成物など について理解するとともに,観察器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること。
(29年版学習指導要領)
1年生の地学分野は、対象となる自然の規模が大きく、典型的な露頭が近くにないなどの理由で、動画や写真などの資料を観察することに、終始してしまいがちです。
しかし、改定された学習指導要領は、より一層、探究的な学習過程を取り入れることを意識したと思われる方向に改定されました。
教科書に掲載されるような、分かりやすい露頭でなくても、その地域特有の地質現象を探究的に学習させたいものです。
自然の恵みと火山災害・地震災害の一部が移動(3年→1年)
( エ ) 自然の恵みと火山災害・地震災害
ア 自然の恵みと火山災害・地震災害
自然がもたらす恵み及び火山災害と地震災害について調べ,これらを火山活動や地震発生の仕組みと関連付けて理解すること。
(平成29年版学習指導要領)
災害については、これまで、卒業間際の3年生で学習していましたが、その重要性から、各学年で学習することになりました。1年生では、これまでも火山災害・地震災害を扱ってきましたが、一層その存在感が強くなります。
地学でも探究的な学習が重要視される。
各学年で自然災害を学習する。1年生では、火山災害・地震災害を学習。
圧力が分野をまたいで(1年物理→2年地学)お引っ越し
( 4 ) 気象とその変化
身近な気象の観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 気象要素と天気の変化との関係に着目しながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
( ア ) 気象観測
ア 気象要素
気象要素として,気温,湿度,気圧,風向などを理解すること。また,気圧を取り上げ,圧力についての実験を行い,圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだして理解するとともに,大気圧の実験を行い,その結果を空気の重さと関連付けて理解すること。
平成29年版学習指導要領
1年生からこれまで物理単元で学習していた圧力が、2年生の地学に入ってきた。週に3コマしかない1年生の授業を少しでも軽減することにもなるが、2年生の地学も端折りがちな単元であるので、計画的な時間配分が必要だ。
気象災害は、2年生で学習する。
(エ)自然の恵みと気象災害
ア 自然の恵みと気象災害
気象現象がもたらす恵みと気象災害について調べ,これらを天気の変化や日本の気象と関連付けて理解すること。
平成29年版学習指導要領
自然災害を各学年で学習するという流れです。これまでも2年生では、台風について学習していました。学習指導要領に「気象現象がもたらす恵みと気象災害」を調べることが明言され、気象の単元もより一層、探究的に行われることになるでしょう。
地域の防災センターの見学や、地域にある洪水などの祈念碑、過去の新聞記事など、調べ学習をすることで、生徒が学びに向かうことを促進し、より主体的な学習を実現したいものです。
気象災害と日本の気象現象の学習を関連づけた、主体的な調べ学習を計画しましょう。
3年地学で「月の満ち欠け」を探究的に取り組みます。
ウ 月や金星の運動と見え方
月の観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,月の公転と見え方を関連付けて理解すること。また,金星の観測資料などを基に,金星の公転と見え方を関連付けて理解すること。
平成29年版学習指導要領
月の満ち欠けは、小学校4年生と6年生で学習しています。中学校では、月が地球の衛星であり、約30日けかけて公転していることを学習し、それと関連づけて満ち欠けを学習します。探究的な取り組みを期待して、月の学習を明記したものと考えられます。
また、金星については、これまで「内容の取り扱い」で書かれていたものが、本文へと昇格しています。惑星の公転など、太陽系のつくりを理解するのに、満ち欠けの観察と、その仕組みを考える取り組みが大きく寄与することがされているのだと思います。
月の満ち欠けは、モデル実験などで探究的に取り組ませたい。
金星の満ち欠けや見かけの大きさの変化を観察し、その理由を考えることで、太陽系のつくりやスケール感を学習させよう。