ネタ集め

中学校3年生理科(物理分野・力学)「慣性の法則」を考えよう。

このページでは、中学校で学習する「慣性の法則」の1つである「静止している物体は、その場で静止し続けようとする」について考えます。

だるま落とし

だるま落としを知っていますか。積み木を積んだ上に、だるまの人形を乗せておき、下の積み木を木槌(ハンマー)でたたいて抜いていき、最後、だるま人形だけになったら、ゴールです。

Qだるま落としは、だるま人形の位置をできるだけ、動かさずに、真下に落とすゲームです。だるま落としを成功させるコツを答えなさい。

Aハンマーをゆっくり(弱く)当てると、当てた積み木以外も動いてしまいます。なので、ハンマーはできるだけ、速く、力強く動かすのがコツです。

積み木をゆっくり動かすと、摩擦力が長時間かかるので、上下の積み木もいっしょに動いてしまいます。積み木をすばやく動かせば、その上下の積み木が動く前に、ミッション完了します。

上の糸、下の糸、どちらが切れる?

慣性について、生徒の応用する力を試す、こういう問題があります。

問図ように、鉄でできた赤い○リングが、糸で天井から吊られており、リングの下に結ばれた糸を、ヒトが下に引きます。A・Bどちらが切れるか考え、理由をそえて答えなさい。なお、A・Bは、同じ強さをもちます。

答実は、答えは複数あります。つまり、Aが切れることもあり、Bが切れる時もあります。

もっと正確に言うと、Aを切る方法もあるし、Bを切る方法もあるのです。

問では、どういうとき、Aが切れるのでしょうか。

答糸をゆっくり引いたとき
【理由】
Bには、ヒトが引いた力がはたらいている。
Aには、リングが引いた力がはたらいている。リングが引いた力の大きさは、ヒトが引いた力+リングにはたらく重力、に等しい。
つまり、Aにはたらく力の方が、リングにはたらく重力の分だけ大きくなる。だからAが切れます。

問では、どういうとき、Bが切れるのでしょうか。

答糸をすばやく引いた時
【理由】
慣性の法則によれば、物体(リング)は、その場に静止し続けようとする。リングには、重力の他に、Bから力を受ける。しかし、Bからの力がはたらく時間は、ほんの一瞬だ。リングが大きく下に動く前に、Bが切れる。
リングが動かなければ、上の糸にはたらく力の大きさは変わらない。(これはフックの法則から分かることだ)
Aには、リングにはたらく重力と同じ大きさの力がはたらき、Bには、ヒトが引いた力がはたらく。ヒトがAより大きな力、で、糸が切れる程度の力を一瞬だけはたらかせれば、Bが切れるのです。

中学校では「静止している物体は、静止し続けようとする。」と学習します。高校以上では、「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」と学習します。「運動の第1法則」と言います。

今日はここまで。