ノートまとめ(実験レポート)で、頭の中を整理させ、論理的にものを考える習慣をつけさせたい。
ノートまとめもシステム化が大事。
方眼ノートを用意させよう。
ノートなんて、一般的な5ミリ方眼ノートで充分だと思っていませんか。僕の手元にある文献では「TOSSノート」が紹介されています。しかし、そこらの文具店で売っていないので、生徒に用意させるときは、妥協して一般的な5ミリ方眼ノートを使わせています。TOSSノートも、アマゾンで買えるようになりました。しかし、送料はかかります。
基本的な書き方を指導しよう。
最初の1〜2ページは実験の前に書く。
- 実験レポートはノートは見開き4ページに書く。
日付、ページ、単元名
課題
教科書に書いてある発問(?マーク)をそのまま写す。そして、ていねいに赤鉛筆で囲ませます。
目的
教科書の「実験 ○○を調べよう」をそのまま写させます。
方法
教科書に書いてあるものをそのまま写させる。イラストを入れると見やすくなることを指導します。
実験図
実験器具
実験で貸して欲しい道具をすべて書かせます。
実験で使うものをすべて書かせることで、教科書をよく見て、実験を具体的にシミュレーションしなくてはならなくなり、実験の手順が分かるようになる。
予想・仮説
後半3〜4ページは実験の後に書く。
結果
見たままの実験の結果を書くよう指導します。
- 試験管Aの石灰水が白くにごった。試験管Bの石灰水は変化がなかった。
- 試験管Bには二酸化炭素がない。(見たままではないため❌)
考察
気づいたことや、結果から分かったこと、思ったことを書かせます。ここでは、自分の言葉で、自分の頭で考えたことを書くように指導します。
- タンポポの葉が入っている試験管Bでは、光合成で、二酸化炭素が使われたと考えられる。
結論・まとめ
「課題」の答えを書く。
課題と対応させるため、丁寧に赤鉛筆で囲ませましょう。
実験レポートの評価について
評価基準を明確に。
中学生であれば、評価の公平性は、明確に説明できて、他クラスとも整合していなくてはなりません。基準を明確にする必要があります。
評価基準リスト
- ていねいである。
- ゆったりと書いている。(1cm2に1文字)
- キーワードが入っている。
- 図・表・グラフ・絵・イラストを効果的に利用している。
- 結果と考察を明確に書き分けている。
- 考察に自分の考えが入っている。
1ゴールを教える、2形成的評価、3相互評価を使おう。
1お手本ノートで、ゴールを教える。
よいノートの手本を示せると、目指すゴールをはっきりさせることができます。過年度の生徒作品がよいが、なければ、教師がお手本ノートを作るとよいでしょう。ただし、別の内容のものにしないと丸写しされてしまいます。
2形成的評価をしよう。
まだ生徒たちがやり直せる範囲で、一度評価をする必要があります。初めの数行を書いた段階で、チェックできれば、あとは、生徒自身で修正して、基準を満たしたていねいさとゆったり加減のノートになります。
3相互評価をしよう。
形成的評価のあと、友達のノートを参考にする時間を設けましょう。相互評価といっても、実際に相手に評価を告げる必要はなく、自分の作品と比べて、参考にになる点を見つけてくることが目的です。
「これから、友達のノートを見合う時間をとります。移動してノートを見て回ります。参考になる書き方、お手本になるていねいさ、ゆったりさに気付き、自分のノート作りに活かすのが目的です。自分が参考にするだけですので、おしゃべりは必要ありません。見て回る時間は3分間。ノートを開いたまま、全員起立、始め。」
ノート作りには十分な時間を確保しよう。
実験レポート作りには、大変な時間がかかります。中学校では、すでに生徒の力に大きな開きがあることでしょう。書くことに自信をもてない生徒に照準を合わせ、たっぷりの時間を確保したいものです。初めてのレポートは、光合成の実験、2回目は炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験がよいのではないでしょうか。全員ができるように指導するため、宿題にするのではなく、授業時間を使って行いましょう。慣れるまでは3時間程度確保し、終わった生徒には、別の課題を与えるのがよいでしょう。
- ノートの書き方を教え尽くすまでは、決して宿題にしないこと。
- 生徒が最初から持っている力量だけで評価しないためにも、今回のこのレポートの「ゲームルール」で通用する評価基準を具体的に掲げること。
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