すいません、ちょっと話がくどくなることをお断りしておきます。
まず当たり前のことを1つ確認させてほしい。
何のために学校の宿題をやらせるのか。
力をつけるためでしょう。
そう、学校の課題に限らず、どんな勉強もそうで、理解して記憶して、使える知識、応用できる智恵として、あなたの脳の引き出しに収納したいのです。
学校の先生なら、問題集の取り組み方をどのように指導するだろうか。
「教科書チェックシステム」でやり残しをなくそう
僕のお勧めは、TOSSの先生方が教えてくれた「教科書チェックシステム」というやりかただ。
「教科書チェックシステム」は、教科書に限らず、練習問題がちゃんとできるようになっているかをチェックして、できてない問題だけを取り組むシステムである。
こういう問題があるとする。この問題集にどう取り組むか。
とにかく一度解いてみる。
答えは、問題集に書くのじゃありません。ノートに書きます。
解いたら、答え合わせです。
(1)は正解でした。正解した問題は、番号に「/」を引きます。この斜線があとであなたを助けてくれます。
(2)は間違いでした。間違えた問題や、何かを参考にしたものには、問題番号の横に✔︎を書きます。
(3)も間違いでした。
すると、このようにチェックされています。
問題集は、繰り返し取り組んでこそ、自分の力を向上させてくれます。ですから、2回目の取り組みをしましょう。2回目は、前回間違えた問題だけをやります。
(1)はやりません。
(2)は、何も見ずに正解しました。/をつけます。
(3)は、また間違いでした。✔︎をつけます。
3回目の取り組みです。
(1)(2)はやりません。
(3)をやり、答え合わせして、また間違いでした。
4回目の取り組みです。
(1)(2)はやりません。
(3)に何も見ずに取り組み、答え合わせして、正解でした。/をつけます。
これで、すべての問題に/がつきました。
教科書チェックシステムは、教科書の最初のページから、全ての問題に/がつくまでひたすらやっていくのです。確実に取り組んでいけば、教科書の中にできない問題がなくなります。こうして身につけた力は、次の学年での強固な基礎力となります。
全部やるなんてすごく大変じゃん!
確かに、学習習慣を身に付けるためが目的なら、机に向かっていれば○。勉強開始予定時刻に、問題集とノートを開いて、取り組んでさえいればそれでオッケーだ。でも、みなさんの目的は、力をつけること、でしたよね。だったら、全部正解するまで取り組んで欲しい。
生徒の課題を点検すると、やり方のレベルは、本当に生徒それぞれである。
- 実力で取り組んだと思われるもの。答え合わせがしてあり、直しには、解説のメモが書いてある。できなかった問題に印をしている生徒もいる。
- 教科書などを見ながら解いたと思われるもの。実力以上に高い正解率。
- 最初から、模範解答を丸写ししたと思われるもの。ときどきわざと間違えて、直しが書いてあるものもある。不自然な問題で間違えているので、偽装工作はバレバレ(笑)。また、別の問題の模範解答が書いてあったり、書くべき回答欄が1つ〜2つずれていることもある。答えを書くテンポが早く、リズムも一定なので、同じような筆跡がきれいに並ぶ。また、たいていは、○の書きかたもざつだ。もし、1つ1つ解答を確認しているなら、ペン先の動くスピードが落ち、もっとていねいな○になるはずだ。
「分かったふりの○」が本当に多い。
分からなくて、答えを写しているのだと思うけど、わからないなら、わかるまで取り組ませたいのが、教員の思い。特に、算数・数学は本当に基礎が大切で、どこかの学年のどこかの単元で一旦分からなくなると、そこからその単元の積み上げがとても困難になります。
それなのに、分かるまでやらずに、わかったふりで○をつけて、課題終了!としている生徒が一定数いるのが現実です。
わかるまで取り組むとはどういうことか。
では、どんなふうに勉強することを推奨しているのか。わからない問題に、✔︎をつけ、先生に聞いたり、教科書で調べたりして分かるまで取り組んでほしいということ。つまり、教科書チェックシステムで勉強するということです。
学校の課題は、生徒にとっては、単にノルマであり、単に習慣と思うものかもしれない。しかし、あなたの大切な青春の1秒間を無意味な丸写しに使って欲しくない。大切なのは力をつけること。覚えるための丸写しなら、もちろんよい。でもまだ/じゃない。最後は、何も見ずに取り組んで✔︎をつけること。それが毎回の課題の本当のゴールです。
教科書チェックシステムは、コスパも時間的パフォーマンスにも優れた方法だと思う。
ちなみに、TOSSの研修で登壇された向山洋一先生や「有段者」の先生方から、基礎の基礎の一番大切な部分をしっかり教えていただいた。本当に感謝している。若いうちにTOSSに出会ったことは僕の宝になっている。