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赤い葉、紫色の葉にも「葉緑体」はある

葉が緑色なのはどうして?

光合成を行っている葉緑体は、光エネルギーの取り入れ口です。葉緑体は、赤い光と、青い光を吸収します。赤と青の間にある緑色の光は吸収できません。そのため、緑色の葉は、緑色を反射したり、透過したりします。だから、だから葉っぱの色は、緑色なのです。

赤い葉には葉緑体がないのです、か?

植物の葉の色は普通、緑色ですが、中には紫や赤などの葉を持つ食部があります。身近な例だと、アカシソ(赤紫蘇)、アカキャベツ(赤キャベツ)、園芸種のハゲイトウ、コリウス、ベニカナメモチなどです。

これらの紫色系の葉は、どのようにして養分を得ているのでしょう。紫色をしていても葉緑体を持っているのでしょうか。

アカシソの葉に葉緑素が含まれているかどうかは、顕微鏡で直接確かめることができます。スライドガラスに載る程度に葉を切って、そのまま100倍程度の倍率で観察します。葉をそのまま見るため、照明を十分明るくして観察すると、鮮やかな赤〜紫の色素に混じって、緑色の葉緑体があることがわかります。

アカシソには、「シソニン」というアントシアニン系の色素があり、アカシソの葉の色は、このシソニンと葉緑素の緑色が混合した結果の色です。特に、葉の表側は、はっきりと葉緑素の緑色が、見られます。

赤い葉も、紫色の葉も葉緑体を持っています。

アントシアニン系の色素は、酸性やアルカリ性に反応して色が変わる性質があります。梅干しの色付けはこの性質を利用しています。梅干しに含まれるクエン酸にシソニンが反応して、鮮やかな赤い色になります。

青色の光は光合成に必要なのに、色素に盗られちゃう

葉がアントシアニン系の色素を持もつことで、困ったことが1つ起こります。それは、青い光がアントシアニン系色素に吸収されてしまうということです。本当なら、青色の光は、光合成のエネルギーになるものです。青色の光が葉緑素に届く前に、アントシアニン系の色素に吸収されてしまうのです。

アカキャベツが熱いエタノールで普通のキャベツに

アカキャベツの葉ををエタノールに入れて、容器ごと湯煎してやると、きれいな普通の緑色のキャベツの葉になります。

アカシソでやると、アオシソのように綺麗な緑色になります。

ただし、長時間エタノールにつけておくと、緑色も抜けて、白っぽい葉っぱになってしまいますので、ご注意ください。

紅葉するのは、緑色の色素(葉緑素)が消えてしまったから

アカシソの葉には葉緑素と赤い色素混在していますが、落葉樹の紅葉は、葉緑素がなくなることによって起こります。冬が近づき、葉への養分の供給が絶たれると葉緑素が分解を始めます。それにともなって、今まで葉緑素の色に隠れてわからなかったカロチノイド系の黄色が目立つようになります。

また、葉に残留した糖分によってアントシアニン系の赤い色素ができる葉では、黄色と赤色の混合具合によってさまざまな色合いが生まれます。

葉は植物にとって、生きていくために必要な養分を作る重要な器官です。葉の色の変化は、植物が環境に適応している結果だと考えることもできるでしょう。