- 水に電流は流れますか。
- 実は、純粋な水には電気が流れません。水は電流を通さないのです。電流が流れるのは水溶液です。では、全ての水溶液に電流が流れると思う人?
- はい。実は、電流が流れる水溶液は限られています。電流が流れそうな水溶液はどれ?砂糖水、食塩水、水道水。
- 食塩水は、電流がよく流れます。水道水は、電流がほんの少しだけ流れる。
- 固体の食塩は電流が流れません。純粋な水は電流が流れません。でもこの2つを混ぜるとどうなりますか。混ぜたということは、食塩水になったということです。
- そう、電流が流れるようになったのです。
- 塩化ナトリウムや塩化水素は水の中で、電気を流す物質に変わっています。それをイオンと言います。
- 塩酸に電流を流すと、次亜塩素酸水ができます。このとき、プールの匂いがしますが、どんな気体ができたということでしょうか。
- そうです。塩素ですね。塩素は漂白作用があります。水泳部には、塩素によってだんだんと髪の毛の黒色物質が変化し、茶髪っぽくなっている人がいますね。
- 電気電解で発生する物質は気体とは限りません。塩化銅という物質があります。塩化銅を電気分解します。名前からして、何と何に分解されると思いますか。
- 2年生の復習です。電流が流れるということは何が動くことですか。
- そう、電子が動くことです。
- 水溶液中では、電子そのものが動くのではなく、電気をもつイオン粒子が動きます。プラスの電気を帯びた粒子を陽イオンと言います。では、マイナスの電気を持った物質を何というと思いますか。
- よう、陰イオンです。
- たとえば、塩化ナトリウムは、水に溶けると水の中で、2種類のイオンに分かれます。一方が陽イオン、もう一方が陰イオンです。
- ナトリウムイオンは、陽イオン、塩化物イオンは、陰イオンです。
- 陽イオンと陰イオンがあるために、電気が流れます。
- でも電解質ではない、砂糖(ショ糖)は、水に溶かしてもイオンになりません。ショ糖の分子のままで溶けています。電気が流れでしょうか。
- 流れない。その通りです。ショ糖の分子がそのまま溶けているだけですので、電流が流れることはありません。