仕事術

このコロナ禍、学校で教えられない状況を救うかもしれない。「反転授業」

現場には「遠隔授業を始めたい」という声もある。

 コロナ以後、学校教育が抱えている問題は、休校で、授業ができないこと。「遠隔授業をやればいいじゃないか」という意見もありそうだが、確かにそうだ。遠隔授業をやれるなら、一刻も早く始めたい。だが、今までの学校教育の枠組みのままでは、越えなくてはならない課題がいっぱいある。

遠隔授業だけでは、生徒の学びの状態を評価できない点がもっとも重大。

  • ネット環境はすべての生徒が用意できるのか。
  • ハード、ソフトのセットアップができるのか。
  • 授業配信システムへのサインアップ、ログインなどの情報を、生徒にどう伝えるのか。
  • 生徒がちゃんと参加していることをどうやってモニターするのか。
  • 生徒からの反応をどうキャッチするのか。質問をどう受けるのか。

学校での対面授業は、やはり必要。

 今から2〜3ヶ月のうちにこれらの問題をクリアした遠隔授業のシステムを構築できたとすれば、このままコロナが収束せず、ずっと遠隔授業で学習を行ったとしても、8月もできるだけ遠隔で授業をし、なんとか、1年間の内容を今年度のうちに終了できるかもしれない。僕自身は、そこに大いに期待はしている。

 しかし、現実的な話は、そうではない。どこかで日を決めて、感染のリスクが0でなくても、スクーリング(対面授業)の日を設けるべきだと思う。週に1回でもいいから対面授業ができれば、ある程度、授業を進めることができる。たとえ平日の5日のうち1〜2日だけでも、学校で指導と評価ができれば、学習を進めることができる。

学校を救ってくれるのは「反転授業」かもしれない。

 僕の手元に、2016年1月4日の新聞記事がある。記事には、「反転授業」が紹介されている。

従来の授業 授業で教え、家で復習する。
反転授業  家で予習し、学校で活用、応用する。または補習を受ける。

反転授業

 反転授業(Flipped Classroom) 教室で受けていた授業の動画を、自宅でタブレット端末やパソコンを使って視聴し、家で学んでいた応用問題などは教室で取り組むスタイル。ICT(情報通信技術)の進歩で可能になった。米国では2000年代から、オンラインの無料講座を活用する形で小中高に広がり、さらに大学で拡大している。

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  • 反転授業(Flipped Classroom)(2014年01月17日 朝刊)

    教室で説明を聞き、家で課題に取り組むのを「反転」させる方烹学校で受けていた授業の説明を、自宅でタブレット端末やパソコンなどを使って動画で視聴。教室では応用問題などに取り組む。ICT(情報通信技術)の進歩で可能になった。米国では高校や大学で、00年代半ばから広がっている。日本では、佐賀県武雄市が自治体ぐるみでこの4月から、全小学校で始める。

コロナを日本の授業を変えるチャンスにしよう。

 反転授業は、生徒家庭がインターネットが使えることが前提だが、基礎・基本はインターネットを使った家庭学習で身につけ、それを元に学校で復習的に学ぶという形態である。この考えを、現在のコロナ禍で採用すれば、授業を進めることができる。

 また、定期テストなどもスクーリングで行うことになる。学習の方法を指導したり、個別の指導についてもスクーリングの日に行うことになる。

 この考えは、僕の試案であり、まだまだ提案できる状態になっていないが、せめて少しでも授業を進めていく方法案の1つである。

詳細は、書籍「反転授業に載っています。僕はkindleで無料で読みました。ワクワクをもらい、刺激になりました。